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「HINOKIO」を考える ⑤

「HINOKIO」を考える⑤の今回は妄想劇場
「HINOKIOⅡ」第二話を御覧頂きます。

ジュンが見上げたとき屋上に消えていく人影が見えた。
「あれは・・・HINOKIOなの」
軽々とビルの壁をよじ登る姿は間違いなくHINOKIOだった。
「どうしてHINOKIOが・・・サトルに何かあったのかな」
ジュンの脳裏に三年前の出来事が思いだされた。
携帯電話をカバンから取り出すと焦る気持ちでサトルに電話をする。
「出ない・・・どうしたの早く出てよ!」
焦る想いから地団駄を踏むジュンだった。何度目か呼び出し音が留守録に切り替わるとあきらめて携帯をカバンに収めようとしたときだった。
ジュンの携帯に呼び出し音が鳴った。
「久し振りだねジュン!」
電話の声はサトルだった、その声はジュンの心配を知らずにのん気な声だった。
「馬鹿!心配させるな!」
「はぁ・・・何を怒っているの」
相変わらずの声がジュンの想いをさらに怒らせてしまった。
「HINOKIOを使って何ストーカーさせているんだ」
道を行く人が怒鳴り声をあげるセーラー服姿のジュンに思わず足を止めしまっていた。
「話が見えないんだけど・・・」
「だからHINOKIO!HINOKIOを何に使っているのか聞いているの」
電話の向こう側から大きなサトルのため息が聞こえた。
「変わってないな~」
「何が?」
「まるで男と話しているみたいだよ」
サトルに指摘されてドギマギするジュンだった・
「サ・サトルこそ女みたいじゃないか」
笑いをお押し殺した声が漏れ聞こえジュンも思わず笑ってしまった。
「HINOKIOがどうしたのジュン」
「だからHINOKIOが私の後を付けて・・・サトルじゃなかったの?」
「もう使うこともないだろうと言って父さんが去年かな、会社に持って行ってから見てないけど」
「えっ?」
ジュンは急に路地に一人いるのが怖くなって辺りを見廻した。
「とにかく父さんに聞いてみるよ」
「う・うん頼むよ」
「じゃっまたね」
「サトル!」
「えっ何」
以前からサトルに言いたかったがあったジュンだった。
「・・・ゴメン、なんでもない、ん・じゃまたね」
携帯電話を切ると大きくため息をつくジュンだった。

その日の夜、大学受験を控えて深夜まで勉強しているジュンは何気なく二階の部屋の窓から外を見たときだった。
「HINOKIO?!」
外灯に照らされて見える人影は間違いなくHINOKIOだった。
闇の中にオレンジ色に光る目でこちらを見るHINOKIOがジュンは以前とは雰囲気が違うような気がした。
「とにかく確かめないと」
玄関を出ると目前にHINOKIOが立っていた。
「HINOKIO!」
ジュンが声を掛けるとHINOKIOは背を向けてゆっくり歩き出した。
「待てよHINOKIO、どこに行くんだHINOKIO」
HINOKIOはジュンの声を無視するように歩きつづけた。
そのときジュンの携帯が鳴って出るとサトルだった。
「ジュンか!ジュンが見たのはHINOKIOじゃないんだ!」
「えっ?何」
前を歩くHINOKIOが歩みが止まり、ゆっくりと振り返る目が不気味にオレンジ色に光を発していた。
「サトル、どう言うことなのかわからないよ、目の前にいるのがHINOKIOじゃないなら一体なんなの?」
「目の前って!まさか?そこに居るのか」
目の前の暗闇の先から更に足音が近づいてくるのがわかった。
後ずさりするジュンの目に四つオレンジの光が見え、それがHINOKIOとわかったとき電話のサトルが叫んだ。
「逃げるんだジュン!」
身体を返して走り出そうとするジュンの前に空から?目前に降り立つHINOKIOが行く手を阻んだ。
「助けてサトル!」
電話に叫ぶジュンに飛び掛る三体のHINOKIOを寸前で殴り倒すHINOKIOが一体居た。
「今のうちに逃げるんだ!」
そのHINOKIOの声はサトルの声だった。
「サトル!」
(ジュンの目前に降り立ったHINOKIOはサトルが遠隔操作していた)
更にジュンを捕らえようとするHINOKIO①の腕を掴むと振り回すようにして他の二体に叩き付けるとジュンを抱えて闇の中へ走り出すHINOKIOだった。

m_photo_22.jpg
「俺のことが好きか?」

好きだ!好きだ!好きだ~!
「HINOKIO」を考える 第一部は今回で終わります。
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